この記事でわかること
・公務員の退職金を「安心材料」にしても「丸投げ」してはいけない理由
・2026年4月から変わった在職老齢年金の見直しポイント
・退職金、年金、NISAをどう分けて考えると老後資金が崩れにくいか
こんにちは、元公務員のかっちゃんです。
公務員のお金の話になると、よく出てくるのが「退職金があるから大丈夫でしょ」という言葉です。たしかに、公務員の退職金は老後資金の大きな柱になります。民間より見通しを立てやすい部分もあります。
でも、25年以上公務員として働いてきた身から言うと、ここで考えるのを止めるのは少し危ないです。退職金はゴールではなく、老後生活のスタート時点に置かれる「まとまった燃料」だからです。
この記事では、過去に書いた「ねんきん定期便の見方」や「NISAを始める話」とは重ならないように、もう一段上の設計図として、退職金・年金・NISAの3つをどう組み合わせるかを整理します。
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退職金・年金・NISAを分けて考える前に、毎月いくら使っているかを見える化しておくと、老後資金の計画がかなり立てやすくなります。
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結論:退職金は「使うお金」と「守るお金」に分ける
最初に結論です。公務員の退職金は、もらった瞬間に次の3つに分けて考えるのが現実的です。
- 生活防衛資金:医療、介護、家の修繕、車の買い替えなどに備える現金
- 取り崩すお金:60代前半から年金本格受給までの生活費補填
- 育てるお金:NISAなどで長期的に物価上昇へ備える資金
ここを混ぜてしまうと、「なんとなく普通預金に置く」「銀行や証券会社にすすめられた商品をまとめて買う」「退職後すぐに大きな買い物をする」という流れになりがちです。
退職金は大金に見えます。でも、老後の20年、30年で見れば、毎月少しずつ使っていくお金です。まずは「一気に増やす」より「長く壊さない」発想が大事です。
2026年のポイント:働きながら年金を受け取る選択肢が広がった
2026年4月から、在職老齢年金制度が見直されました。厚生労働省の説明では、法律成立時点の改正後基準額は62万円でしたが、2026年4月からは65万円になります。
在職老齢年金は、ざっくり言えば「働いて得る賃金」と「老齢厚生年金」の合計が一定額を超えると、年金の一部または全部が支給停止される仕組みです。日本年金機構も、令和8年4月から制度が改正されたことを案内しています。
これは公務員OBにとっても大きいです。退職後に再任用、再雇用、パート、顧問、地域の仕事などを続ける場合、「働いたら年金が減るから損」という感覚が少し変わります。
かっちゃんの見方
退職金をすぐ取り崩す前に、「少し働いて年金と組み合わせる」選択肢を持てる人は強いです。働く目的は収入だけではありません。生活リズム、社会とのつながり、健康維持にもなります。
見直したいお金1:60代前半の生活費
老後資金で一番見落としやすいのは、65歳以降ではなく、60代前半のつなぎ期間です。
定年後すぐに年金だけで暮らせるとは限りません。再任用で収入が下がる人もいれば、勤務時間を減らす人もいます。親の介護、自分の通院、住宅修繕など、現役時代には見えにくかった支出も出てきます。
この期間に、退職金を「毎月の赤字補填」として無計画に使うと、70代以降に残したいお金が削られます。まずは、60歳から65歳までの5年間について、月いくら不足しそうかを紙に書き出してください。
- 毎月の生活費
- 住宅ローンや家賃
- 医療保険、生命保険、車の維持費
- 子どもや親への支援
- 旅行、趣味、帰省などの楽しみ費
ここで出た不足額の5年分は、投資に回すより先に現金で確保したいお金です。
見直したいお金2:年金の見込み額
次に見るべきは、年金の見込み額です。これは感覚で考えないほうがいいです。
すでに「ねんきん定期便の見方」は別記事で詳しく書きましたが、今回の話では、年金を「最低限の固定収入」として置くことが大切です。
年金は投資のように増減する資産ではありません。だからこそ、老後の家計では土台になります。一方で、年金だけで旅行、家電の買い替え、医療、介護、住宅修繕まで全部まかなうのは厳しい場面もあります。
厚生労働省の「公的年金シミュレーター」や、ねんきん定期便を使って、まずは自分の見込み額を確認しましょう。夫婦なら、片方が先に亡くなった後の収入も見ておくと安心です。
見直したいお金3:NISAで育てる余裕資金
退職金の一部をNISAに回す考え方もあります。ただし、ここで大事なのは「退職金を一括で大きく投資しない」ことです。
政府広報オンラインの説明では、新しいNISAは「つみたて投資枠」が年間120万円、「成長投資枠」が年間240万円で、2つを併用できます。非課税保有限度額は生涯で1,800万円、そのうち成長投資枠は1,200万円までです。
制度としては大きな枠があります。でも、枠があるから使い切る必要はありません。公務員気質の人ほど「制度の上限まできっちり使いたい」と思いやすいですが、老後資金では無理をしないほうが勝ちです。
退職金からNISAへ回すなら
生活費5年分、医療・介護・修繕費、近い将来使う予定のお金を除いたうえで、残った余裕資金を数年に分けて積み立てる。この順番が無理の少ないやり方です。
やってはいけない退職金の使い方
退職金を受け取った直後は、気持ちが大きくなります。長年働いたご褒美ですから、多少の楽しみはあっていいと思います。
ただし、次の3つは避けたいです。
- よく分からない金融商品をまとめて買う
- 毎月分配型の商品を「年金代わり」と思い込む
- 家族に相談せず、大きな買い物や援助を決める
特に、退職金が入る時期は金融機関から声がかかりやすいです。もちろん良い提案もありますが、手数料、解約条件、元本割れリスクは必ず確認してください。
分からない商品は、買わなくていいです。これは元公務員として、かなり強めに言いたいところです。
かっちゃん式:退職前に作る1枚メモ
難しいライフプラン表を作らなくても、まずは1枚メモで十分です。
退職金を受け取る前の1枚メモ
1. 退職金の見込み額
2. 60歳から65歳までの毎月不足額
3. 年金の見込み額
4. 5年以内に使う予定のお金
5. 投資に回しても10年以上使わないお金
6. 配偶者や家族と共有すること
このメモがあるだけで、退職金を受け取った後の判断がかなり落ち着きます。大事なのは、退職金の金額そのものより「役割」を決めることです。
まとめ:公務員の老後資金は、退職金だけで完結しない
公務員の退職金は、たしかに大きな安心材料です。けれど、退職金だけで老後設計を終わらせるのはもったいないです。
2026年4月から在職老齢年金の基準額が65万円になり、働きながら年金を受け取る選択肢も少し広がりました。NISAも、長く育てる制度として使いやすくなっています。
だからこそ、退職金、年金、NISAをバラバラに考えるのではなく、役割を分けて組み合わせることが大切です。
退職金は守る。年金は土台にする。NISAは余裕資金で育てる。
この順番を間違えなければ、公務員の老後資金はかなり落ち着いて設計できます。焦らず、派手に増やそうとせず、自分の生活に合う形で整えていきましょう。
参考にした公的情報
注意
この記事は、元公務員の個人的な経験と公的情報をもとにした一般的な解説です。特定の金融商品をすすめるものではありません。投資判断や年金・税金の手続きは、ご自身の状況に合わせて専門家や公的窓口にも確認してください。
現役公務員かっちゃんです。地方公務員として25年以上勤務しながら、40代で新NISAをスタート。「難しそう」「怖い」と感じていたお金の話を、公務員目線でわかりやすく解説します。老後資金・NISA・節約・ポイ活など、40代・50代の公務員が気になるテーマを本音でお届けします。